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【チェンソーマン】凍てついた幼心〈早川アキ〉

第7章 夏霞の中の文字


二人の身体が離れて、私は下着を脱いで中から掻き出そうとした。
だが、その手は止められる。


「風呂入るまでそのまま」

「え、パンツ濡れちゃう…」

「お願い」


"お願い"はずるい。
渋々下着を戻して、浴室から出る。
溢れた汗が一気に冷やされて、気持ちよかった。

リビングに向かおうと廊下を進んでいると途中で止められて、振り向かされた。
そのまま肩を押されて、背中がトイレの扉についた。


「アキ…」

「結那…舌出せ」


少し舌を出すと、近付いてきたアキの舌とゆっくり絡む。
白いシャツにしがみつきながら必死に応える。

上顎を擽って離れていく。
その擽ったさに息が鼻から漏れた。

少し見つめ合ってからアキの胸に寄り、耳をつける。
少しだけ速い、アキの心音が聞こえた。

欲の余韻だとしても、私に身体が反応している。
それだけでよかった。
届かない想いも、もらえない想いも…全部飲み込んでいける。

その時、背中でガチャッと聞こえた。


「っ!いたっ!」


トイレの扉が開き、背中に当たる。
全部、聞かれていたかもしれない。
キスで喘いでいたのを、聞かれたかもしれない。


「ひとが糞しとる時に、盛るな!
風呂で交尾しよって」


そこから聞かれていたのね…。
もう全て諦めて、逃げるようにキッチンに向かった。


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