第6章 壊れないもの
舌でコロコロと転がされる快感に、ほとんど声は抑えられなかった。
甘噛みもされて、甘い痺れが全身に伝わる。
クリトリスを刺激されて一度果てて…中でバラバラに蠢くアキの指で、腰は震えたままだった。
熱い涙は溢れ、唇を震わせながら吐息を何度も零す。
瞼が重くて、頭が真っ白で…ボーッとアキを見つめていた。
「結那…まだまだ終わらないから――俺を見てろ」
身体を起こし、ネクタイを緩めるアキの晒された首筋がやけに、扇情的だった。
目を逸らしたくて仕方なかった。
見てるだけなのに、恥ずかしくて堪らない。
「んっ、あ…アキ……かっこいい…」
脳は蕩け、心臓はうるさくて…理性等、どこかへ消えていった。
少し意地悪な笑みを浮かべ、刀を置き、汚れたシャツを脱いでいる。
そして、アキは自身の後頭部に手を回した。
はらはらと落ちていく、アキのふわふわな黒髪。
「結那は……綺麗で可愛い」
アキが私にその言葉を使うとは思わなかった。
"マキマさん"にだけ向けられる言葉だと思っていた。
自然に顔がニヤけた。
私の顔の横に肘をつき、額を合わせた。
藍色の瞳が、真っ直ぐ私を見つめている。
アキの髪が頬に落ち、擽ったかった。
「結那、俺…欲しいものがある。
結那が俺のことだけを考えて選ぶ、"壊れないもの"。
指輪とかネックレスとか…手作りでもいい。
結那からの、何かが欲しい」
それは…アキの仕事柄、壊れるんじゃ……少し首を傾げたが、その"壊れないもの"が示すのは、物ではないのだと、なんとなく思った。
壊れないものはもう、私の中にあるよ。
でも、言えなかった。
答えがもらえるものではないとわかっているから。
「うん、いっぱい考える。
アキのこと」
顔の横にある腕を掴むと、熱い唇が降ってきた。