第5章 内側に隠した鈍痛
病院を出て家に帰る。
アキの部屋に入り、布団を被りながら心が溢れ出す。
「姫野さっ……」
ずっと姫野さんに嫉妬していた。
でも彼女がどんな想いでアキといたか知ったから…私を受け入れてくれたから…たった一度の出会いで、胸は張り裂けそうなほど苦しくなる。
アキは…そんな世界にいる。
もうアキから何も奪わないで欲しいと願えば願うほど…世界は残酷だった。
アキの世界は、大きな痛みが伴う。
そんな世界に飛び込もうとしていた私は、なんて浅はかだったんだろう。
痛みを消化出来るほど強くないのに…。
息が出来ないくらいに、苦しい。
きっとアキは――もっと苦しい。
アキに会いたい__
別れたばかりなのに、恋しかった。
「アキ…アキぃ……」
私はアキの番が来た時、息を出来るだろうか…。