第5章 内側に隠した鈍痛
少し落ち着いたのか、私の胸に寄りかかるように静かに泣いている。
ずっと折れた煙草を握っていたアキが、ゆっくりそれを離し、私の胸に抱きつくように体勢を変えた。
胸に顔を擦り、涙を拭いている。
擦ったら赤くなっちゃうよ。
「……結那…結那……
死ぬまで、俺の傍にいて…」
こんなに弱々しいアキは初めて見た。
アキはこうやって、仲間がいなくなる度、ひとりで泣いていたのかな。
顔を上げたアキの頬を包み込み、下ろしている髪を指で撫でる。
「死んでも離れない」
安心させるように目を細めれば、アキは詰まった息を吐き出し、顔を近付けてきた。
私も顔を近付け、柔らかく唇を重ねる。
塩っぱい……アキの涙は私が拭う。
アキの残された時間は、私が包み込む。
唇を離し見つめ合っていると、またアキの頬が濡れる。
私の胸も、痛いほど締め付けられた。
「結那…」
「アキ」
また胸に額を預けたアキを抱き締める腕に力を込めた。