第4章 燻る何か
肩に触れた指を、ゆっくり下ろしていく。
膝を折り、アキの前で屈む。
太腿に手を添えながら、布越しにアキの中心に触れた唇。
スウェットの腰ゴムに指を滑らせ、そっと下ろす。
初めて触るので、力加減がわからず、ほとんど力を入れずに柔らかいソレを掴んだ。
風の音と、微かに聞こえるデンジくんやパワーちゃんの声。
腰壁と、ベランダとリビングを遮断する壁に隠れて、特別になりたかった。
家族になると決めた私は、過去になった。
「アキ…マキマさんだと思っていいよ」
私だと思わなくていいから、ココに触れるのは私だけにして__願いは言葉に出来ぬまま、舌を伸ばした。
「結那は結那だろ。
お前が俺に触れてる」
柔らかい欲棒を掴んでいる指がピクッと動いた。
「……お風呂でしようとした時、マキマさんって言ってた」
「っ…うるせぇよ。忘れろ」
アキを咥え込んで、軽く吸う。
毛先をひと束持ったアキを見上げると、少し目を細めて、優しい顔をしていた。
幾ら舐めても吸っても、アキに反応はなく、顔はただ優しい表情を崩さない。
「さっき、もう勃たねぇつったろ。
夜なら……」
頭を撫でた手が、軽く額を押した。
「特別……私、アキの特別になりたい。
1番は願わない。
だから、Only Oneにして」
顔を上げて、アキの藍色の瞳をジッと見つめる。
目を見開いたアキが、少し息を吐いた。
「女はお前しか知らねぇつっただろ。
特別じゃなきゃ、なんなんだ」
「……アキ」
ゆっくりアキの中心から手を離して、手首を掴む。
アキの瞳から目は離さなかった。
もう、後戻りは出来ないの。