• テキストサイズ

【チェンソーマン】凍てついた幼心〈早川アキ〉

第4章 燻る何か


デンジくんとパワーちゃんに催促された昼食を作り食べて、リビングで4人でリラックスする。


「早パイと付き合ってんの?」

「は、はやぱい…?」


顎でアキを示される。
早パイって呼んでたの?

テーブルに頬杖をついてボーッとしているアキに視線を流してから、デンジくんに視線を戻して、首を振った。


「ふーん……
セフレだ!な、そうだろ!?
セフレって言うんだろ!」


答えられなかった。
そんなものにはなりたくない。
そういう人がいる人たちを悪く言うつもりはない。
ただ…アキの都合のいい女にはなりたくなかった。

でも、アキからしたらきっと…そうなんだろう。
近くにいるアキに聞かれたくなかった。
なんて答えたらアキが喜ぶかわからなかったから。

髪に何か触れた気がして振り向くと、大きな手が髪の隙間に指を通し、頬を包み込んで藍の瞳が近付いてくる。
短い眉が少し下がっていた。

キスをされるのかと思い、ぎゅっと目を瞑ってアキの胸を押した。
嬉しいけど、みんなの前でするのは恥ずかしい。

でも触れたのは額だった。
柔らかい感触は、僅かなリップ音を立てて離れていく。


「セフレでも彼女でもねぇ」

「じゃあなんだよ」


アキは少し目を伏せて考えた。


「俺の――

………家」


凄い溜めたね。
でも…家?
家……帰る場所…。
私はアキの、帰る場所。

アキの気持ちはよくわからないけど、ただただ嬉しくて、アキの胸にそっと身体を寄せた。
アキは私といたら、安心、出来るのだろうか。

少しだけ速いような気がするアキの心音を聞きながら、ゆっくり目を閉じた。


「は?家ってなんだよ。
意味わかんねぇ」

「離れてたけど…今はこいつが傍にいれば、それでいい。
バカにはわかんねぇだろうな」


抱き締めたアキの温かい手の平を感じる。
幸せだ。
もうここで――4人で暮らしていたい。
アキがいれば、何もかもどうでもよくなる。

その胸に私をすっぽりと収めてしまう程大きくなったアキ。
もう、あの頃ではないとわかっているのに、過ぎ去ったあの日々が少し、恋しかった。


/ 121ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp