第3章 在りし日の温もり
リビングに出てキッチンに立つアキを見つめた。
目が合うと柔らかく笑って、名前を呼ばれた。
アキのところへ行くと、ガスコンロの方に引き寄せられる。
リビングにいるデンジくんやパワーちゃんからは、壁で見えていないだろう。
黒電話一つだけが置いてある奥の台に押し付けられ、細めた瞳が光る。
そのまま口付けられ、私の全てを奪うように求めてきた。
キスをしたまま手に何かを持たせられ、そのまま腕を上に上げられる。
指がアキの髪に触れた。
手を掴まれると、襟足から髪をたくし上げるように動かされる。
持たされたのは髪ゴムだと気付き、舌を絡められたままアキのさらさらな髪をまとめた。
アキ、いつもどんな風に結ってたっけ…墓石の前で会った時のことを思い出し、髪を高く上に上げる。
そのまま髪ゴムで束ねた。
腕を下ろすとゆっくり唇が離れていく。
「結那…挿れたい」
「だ、ダメだよ……
パワーちゃんたちいる」
本当はしちゃいけないのに、無理やり理由をつける。
「もう、どうでもいい
結那、結那…」
いきなりどうしたのだろうとアキの目を見つめても、感情は読めなかった。
両手を引かれて逃げられなくなる。
そのまま激しく口付けられて、舌を絡ませながら唾液を流し込んでくる。
何度も舌を絡ませて歯列をなぞって…上顎を擽る。
掴まれていた手は離れて背中に回り、きつく抱き締められた。
銀糸を引きながら離れていった唇からは、熱い吐息が溢れていた。