第3章 在りし日の温もり
「アキ…後で、でしょ…?」
無理やりアキを引き剥がし顔を見て、息を呑んだ。
ひどく辛そうな表情をしていた。
でもすぐにいつもの無表情になり、離れてご飯を作り始める。
アキ、いつもそんな顔して私に触れていたの?
辛いのなら触れなければいいのに…"マキマさん"が欲しいんでしょ?
「アキ?」
料理をするアキの横顔が泣いているように見えた。
でも、振り向いたアキの頬は乾いたまま。
気にはなるが、今はただ、ご飯の準備を手伝った。
アキが辛いのは、私も辛い。
何かあるのなら話して欲しい。
でもアキは話してくれない。
"マキマさん"になら言えるの?
もう誰も、アキから大切なものを奪わないで欲しい。
アキは…大切な家族も、家族との思い出が詰まった家も、明るい人生も奪われた。
私はそんなアキを――満たしたい。