第2章 性欲か生欲か愛欲か
目が覚めるとアキはいなくて、窓から朝の光が差していた。
目の奥が痛くて、少し顰める。
部屋からリビングに出ると、陽の光が窓を透けてきらきらと温かな煌めきを漂わせていた。
数回瞬きをしてから、廊下に出る。
トイレに行き、浴室を確認してから洗面所へ行く。
顔を洗ってからまたリビングに戻ってきて、アキがどこにもいなかったことに気付く。
そういえば――もう一つ扉があったな…と思い出し、玄関の方へ向かった。
玄関の近く…浴室の向かい側の扉をそっと開ける。
デンジくんとパワーちゃんが寝ていた。
物がたくさん転がっていた。二人も転がっていた。
昨日の夜二人はリビングに寝ていたが…ここが二人の部屋なんだ。
またリビングに戻ってきて、アキの姿を探す。
玄関にあった靴は、昨日私が来た時と変わっていなかった。
窓の方を向くと、朝日の中で白い煙が漂っている。
窓を開けてベランダに出て、煙の先を辿った。
「おはよ」
椅子に座って煙草を吸っているアキと目が合う。
声をかけると、藍色の瞳を大きく開き、固まっていた。
「服着てから来いよ…
おはよう」
「あ…」
すぐに屈み、腰壁の陰に身を縮める。
アキは鼻で笑い、煙草の火を消した。
腰壁側に立ったアキに押されてリビングに戻る。
カーテンが閉められ、薄暗くなった部屋でアキはロンTを脱いだ。
背中から頬を優しく引き寄せられて、視界に影が落ちる。
唇が重なり、絡まった舌からは煙草の味がした。