第10章 未完のラブレター
"壊れないもの"が欲しいって言ったらすぐ、結那はくれたな。
チェーンについたリング。
リングの内側に掘られていた刻印は――"dear A"だった。
特に触れることはしなかった。
なんて答えたらいいかわからなかったから。
でも、嬉しかったよ。
泣きそうなほどに。
俺がマキマさんを好きになっていなければ答えられたのかな。
マキマさんが好きで…結那は俺の、大切な帰る場所。
自分の心の中がわからなくなる。
でも、身体だけは正直で…結那を何度も抱いていた。
結那、辛かった?
俺、結那のこと、苦しめてた?
本当にごめん。
でも止められないんだ。
身体が…本能が結那を求めている感じがする。
結那の腹の中に俺の子がいるってわかった時、"どうしよう"って思った。
嬉しかったけど、同時に…結那も子供も守れないのに、無責任なことをしたと思っている。
子供は――どんな顔をしてるかな。
結那に似たら、可愛くて仕方ないんだろうけど…俺に似たら、仏頂面で思っていることを言葉にするのは下手かもしれない。
そうなったら…結那、頼むよ。
結那は一度も好きと言ってくれなかったけど、言われたら俺…結那の未来を奪ってた。
俺に縛り付けて、きっと…ひとりで生きていくことになってたと思う。
言わないでいてくれて、ありがとう。
でも本当は……言われたかった。
あの日に――戻りたい。
銃の悪魔を倒すことしか願えなかった俺は今、デンジやパワー…結那が幸せであることを願うよ。
お前らと過ごした日常が、俺の宝物。