Feline Journey( ONE PIECE )
第1章 🐾
月明かりの下、荒くれた海賊たちが酒瓶を蹴散らしながら笑っていた。
「ここらは楽な街だな。守り神だかなんだか知らねェが、姿も見せねェ。」
次の瞬間。
――ガリッ。
木箱の影から飛び出した黒い影が、一人の喉元を裂いた。
悲鳴を上げる間もなく、男は崩れ落ちる。
「なっ……!」
小型の黒猫が地を蹴り、別の男の顔面に飛びつく。
鋭い牙が食い込み、血が飛び散った。
「クソッ、化け物か!」
怒号と銃声。
だが、猫の姿は弾丸を嘲笑うように跳ねては駆け、屋根の上へと消える。
次の瞬間、重低音と共に着地したのは、巨大な獣の影。
大型種へと変化したは、前脚を振り下ろし、まとめて男たちを叩き伏せた。
骨の砕ける音が、闇に響く。
残ったのは、倒れ伏す海賊たちと、荒い息を吐く獣だけだった。
「……あー、殺っちゃった。ま、いっか。」
呟き、再び小さな猫の姿へ。
何事もなかったかのように、海軍基地へと向かう。
門前に現れた瞬間、海兵たちの間に緊張が走った。
ただ一匹の黒猫。 それだけで。
は振り返り、尾を一度揺らす。
海兵たちは無言で後に続く。
処理が終わり、懸賞金の入った袋を受け取ると、彼女は静かにその場を後にした。
「骨のないやつらだとは思ったけど……全員合わせて80万ベリーかぁ」
猫の姿のまま、屋根の上で袋を揺らす。
酒屋の店員としては、目の眩む大金。
「……そろそろ、他の街に行こうかなぁ。」
完全に昇り切った朝日が、街を黄金色に染めていく。
その光を背に、は静かに姿を消した。