Feline Journey( ONE PIECE )
第1章 🐾
ゾロが静かに口を開く。
「どうして海賊になったかって聞いてきたよな。」
はグラスを握りしめ、頷く。
ゾロは酒を一口飲み、ゆっくり語り始める。
「世界一の大剣豪になるって、親友と約束した。」
短い言葉。
でも、そこに込められた重みが伝わる。
「その約束を果たすために、海賊になった」
は腑に落ちなかった。
それが海賊になる理由だとは思えなかったからだ。
でも、彼としては色々あったのだろうと理解した。
ゾロはグラスを傾け、を見る。
「お前に夢はないのか?」
突然の問いかけに、は言葉を失う。
正直、すぐに思い浮かばなかった。
やりたいことも、やるべきことも。
だから、思い出した海賊狩りというものをやってみた。
ゾロは静かに笑う。
「夢を追うのは、案外悪くねェぞ。」
はグラスを握ったまま考える。
「私……父親が仕事で色んな国に行ってて、お土産話をたくさんしてくれたの。だから、自分の目でそれを確かめたくて。
景色とか、名所もそうだけど……世界中の美味しいものをたくさん食べたいんだぁ」
少し照れながら、言葉を続ける。
「こんな夢って、変かなぁ」
ゾロは静かに聞き、酒を一口飲む。
そして、低く、でもはっきりと言う。
「誰にも人の夢を笑う権利はねェよ。」
は胸が熱くなる。
店を出るゾロの背中を見送り、グラスを洗う。
ゾロが真剣に答えてくれたことが嬉しくて、
は小さく笑いながら、店内の灯りを落とした。
は猫の姿に変わり、尾をゆらりと揺らしながら帰った。