Feline Journey( ONE PIECE )
第1章 🐾
全然眠れなかった。
頭の中でぐるぐる回り続けている。
海賊狩りをしていたはずの彼が、どうして??
麦わらの一味????
お互いのことを知っているわけではない。
私が一方的に知っているだけ。
あの船を襲ってくれた男が、今は海賊の側にいる。
なんだか、裏切られた気分だ。
胸の奥がざわついて、息苦しい。
今日は店を休みにして、気分転換しよう。
看板に「臨時休業」の札をかけ、静かな店内で、ふわりと猫の姿に変わる。
小型の黒猫。 尾を軽く振って、窓から外へ飛び出した。
ネコガミ様の影響か、街の人々は猫を大切に扱ってくれる。
通りを歩く子供が「おはよう、ネコちゃん!」と手を振る。
おばさんが「可愛いわねぇ。」と笑顔で頭を撫でてくれる。
撫でられる感触が、少しだけ心を落ち着かせてくれた。
浜辺まで歩く。
波の音が優しく響き、潮の匂いが鼻をくすぐる。
砂浜に、ひとりの影が見えた。
よく見れば、緑髪。 ロロノア・ゾロだ。
は猫の姿で、そっと近寄ってみる。
砂の上を軽やかに歩き、ゾロの近く座る。
「なんだ? 何もあげれるもんはねェぞ?」
ゾロは鍛え続けながら、ぼそっと呟く。
剣を振るう手は止まらず、汗が額を伝う。
でも、視線は一瞬、黒猫に向けられた。
は動かず、じっと見つめる。
なんでなんだろう。
私の恩人なのに、どうして海賊なんかに?
胸が締めつけられる。