Feline Journey( ONE PIECE )
第1章 🐾
お金が尽きる頃に海賊を狩る生活がすっかり板についていた。
夜の闇に紛れ、猫の姿で忍び寄り、確実に仕留める。
それを繰り返すうちに、噂は広がった。
街の人々は喜び、海賊たちはその島を避けるようになった。
仕方なく、次の島へ移動することにした。
は貨物船に猫の姿で紛れ込んだ。
狭い貨物室の隅に身を潜め、数日で到着するはずだった。
揺れる船体に丸まって、静かに時間をやり過ごす。
金貨の袋はまだ残っている。
これでまた、新しい土地で暮らせるはずだ。
ドカン!!!
突然の大きな音と衝撃。
船体が激しく傾き、積み荷が崩れ落ちる。
悲鳴と怒号が船内に響く。
「何だ!? 岩礁か!?」
「制御が効かねェ! 舵が壊れた!」
は小型の黒猫のまま、貨物室の隙間から飛び出した。
甲板は混乱の極み。 海水が浸水し始め、船が傾く。
このまま沈めば、マズイ。
能力者は海に嫌われている。
泳げない。
海に落ちたら、終わりだ。
壊れた船の一部――折れたマストと板が絡まった浮木のようなものが、海面に浮かんでいた。
はそこへ飛び移る。
小型種の黒猫の体で、必死にしがみついた。
人の姿では重すぎて沈むであろうこの浮木に
猫のまま、何日も留まった。
波に揺られ、潮風に打たれ、雨に濡れる。
食べるものはない。
少しのお金ならあるのに……何の役にも立たない。
空腹が体を蝕み、力が抜けていく。
喉が渇き、目が霞む。
でも、諦めない。
生きるために、ただ耐えた。