Feline Journey( ONE PIECE )
第1章 🐾
港町の外れ、夜の路地裏。
海賊が一人、酔っぱらってよろめいていた。
懸賞金は低いが、十分に凶悪。
街で暴れ、女を襲い、酒を奪い、店を壊したらしい。
は黒猫の姿で影に潜む。
相手は野良猫だと思って油断したのだろう。
「ちっ、猫かよ……」
男が舌打ちし、足を振り上げた。
その瞬間。
は地を蹴り、男の喉元に飛びついた。
鋭い牙が食い込み、爪が首筋を裂く。
男の悲鳴は、途中で途切れた。
血が噴き出し、男は地面に崩れ落ちる。
あっけなく倒せた。
は猫の姿のまま、男の体を見下ろす。
人の命って、こんなに脆いんだ。
でも、心に罪悪感は湧かない。
海賊といえば、自分を拘束した奴らと同じような野蛮な奴らしかいないはずだ。
やられて仕方がない人々だ。
顔は割れたくない。
は小さなメモ書きを咥え、猫の姿のまま海軍基地へと向かう。
門前の見張り海兵に、メモを落とす。
「海賊を捕らえた。懸賞金を渡せ。」
海兵は一瞬固まり、騒ぎになった。
「どこだ、場所は!?」
は尾を一度揺らし、先導する。
路地裏まで導き、倒れた男の前に立つ。
海兵たちは慌てて縄をかけ、確認する。
「こいつ……前日に街で大暴れしてた奴だ!」
「罰当たりめ……」
は懸賞金の入った袋を受け取り、素早く立ち去った。
屋根の上を駆け、夜の闇に溶ける。
そうやって過ごした。
海賊を狩り、懸賞金を受け取り、旅を続ける。
黒猫は夜の街を見下ろし、静かに尾を揺らした。
新しい朝が、ゆっくりと近づいていた。