Feline Journey( ONE PIECE )
第1章 🐾
島が見えたぞー!
甲板から、そんな陽気な声が響いた。
は物置部屋の隅で、膝を抱えて身構えていた。
今日こそは逃げる。
もう少ししたら、島に着く直前に拘束しに来るはずだ。
今は全に人間の姿だ。でも体は軽く、力がみなぎっている。
悪魔の実を食べた日から、すべてが変わった。
まだコントロールは下手だけど、十分に使える。
心臓が早鐘のように鳴る。
外の波音が、急に大きく聞こえる。
船がゆっくりと港へ近づいている。
足音が近づいてくる気配。
――来る。
ドアの外で、船員の声。
「おい、島に着く前に。縄持ってこい。」
の体が、ぴくりと反応した。
もうすぐこの部屋に来る。でも、もう少し、もう少しだけ。
隙を待つ。
その瞬間――
「なんだ??コイツら???やれー!」
突然の雄叫び。
船が激しく揺れ、金属がぶつかる音、悲鳴。
誰かが、船を襲っている。 外は一瞬で戦場と化した。
ドカン!
大きな衝撃。
船体が大きく傾き、木が軋む音が響く。
港に着いたのだろう。
いや、着いたというより、ぶつかった。
戦いに夢中で、誰も舵を取っていなかったのだ。
今だ。
は即座に猫の姿へ変化した。
小さな黒猫の体は、狭い部屋を抜け出し、廊下を駆け抜ける。
戦闘の喧騒に紛れて、誰も気づかない。
まずは宝物庫へ直行。
中に入り、金貨の入った小さな袋と、目につくものをいくつか掴む。
これで、当面の生活はなんとかなる。
甲板へ飛び出す。
そこはもう、血と煙と倒れた船員たちの姿。
見たことのない男たちが三人、剣を振るい船員を次々と倒していた。
その中の一人――緑髪の男が、剣を肩に担ぎながら、こちらを一瞥した。
「猫……?」
低い呟き。
鋭いその目が、黒猫を捉える。
一瞬、時間が止まったように感じた。
でも、今はそんなことを考えている暇はない。
は気にせず駆ける。
甲板を横切り、欄干を飛び越え、港の地面へ着地した。