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Feline Journey( ONE PIECE )

第1章  🐾







急いで部屋に戻る。
足音を殺すように歩くが、急ぎすぎて小さな物音がした。




「なんだ?」





遠くからの船員の声。




は息を殺し、壁に張り付く。
船員は部屋の近くまで来て、首を傾げたが



「……気のせいか」




そのまま、足音が遠ざかっていった。







部屋に戻り、扉を閉める。


体が震える。


でも、胸の奥で何かが変わった感覚があった。
体が熱い。 内側から何かがうねるように広がっていく。




動物のような形をしていたから……動物になれるのかな?
そう思い、念じてみる。






――ふわり。


尻尾が生えた。





慌てて自分の体を触る。
尻尾は黒く細長い。ぴくりと勝手に動いている。





....耳も生えている。






人間の頭に、ぴょんと猫のような耳。
触ると、ふわふわだ。 体毛は生えていない。
肌は人間のままなのに、尻尾と耳だけが、猫のもの。




「これ……」




声が震える。
尻尾がまた、ぴくぴくと動く。
コントロールが全然効かない。
念じても、念じても、勝手に揺れる。
耳は、船内の小さな音に敏感に反応して、ぴくりぴくりと動いてしまう。



でも、これを使いこなせれば逃げられるかもしれない。



次の島に上陸する直前、拘束される前に。
この力を使いこなさなければ。



は深呼吸を一つして念じる。




尻尾を、耳を仕舞い、人間の体に戻す。



ふわり、と感覚が戻る。 体が元の姿に戻った。



「……よし」



小さく息を吐く。
まだ震えは止まらないけど、少しだけ落ち着いた。
触って確かめる。 耳も尻尾も、ちゃんと消えている。


これなら、船員に見られても大丈夫。
コントロールはまだ下手だけど、少しずつ練習すれば。


はベッドに座り込み、膝を抱えた。
胸の奥で、かすかな希望が灯る。



――次の島に着いたら。
隙を見て、飛び出そう。






自由が、すぐそこまで来ている。





は、静かに目を閉じた。









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