第3章 交錯する想い
「………で、は家に籠っちゃったわけ」
「はい」
「わかった。硝子には連絡入れとく」
五条さんは、状況を言葉にしなくても理解している口ぶりだった。
家入さんへの連絡が確約されて、ようやく少しだけ息を吐いた、その時。
「でも、すぐには向かえない。だから恵、お前がの傍に居るんだ」
「は……?」
心臓が一瞬で冷えた。
男が、俺が、アイツの傍に居たらダメだろ。それは五条さんもわかっているはずだ。
「いや、話聞いてました?俺は昨日───」
俺が突き放した。
俺が傷つけた。
だからは倒れて、こんなことになった。
包み隠さず話したはずなのに、五条さんは俺の言葉を途中で遮った。
「こういうことは本人から言わせたかったけどさ、」
そう言いつつも、迷ったように一拍だけ置いてから五条さんは続ける。
「は別に、お前を嫌ったわけじゃないよ」
「は……?」
……嫌ってない?
じゃあ、なんで目を合わせなかった。
なんで、あんな顔をして俺の手を振り払った。
「ただ自分を責めてるだけ。これに関しては恵が気に病むことじゃない」
——気に病まないわけがない。
俺を嫌ってないにしろ、俺が原因で、は自分を責めている。
それを、俺が見過ごせるわけがないだろう。
「………わかりました。家入さんへの連絡、お願いします」
胸の奥で決意のようなものが静かに固まり、驚くほど冷静に五条さんとの通信を切った。