• テキストサイズ

【呪術廻戦】呪いの嫁入

第3章 交錯する想い



      『様』

      『様』

      『様』

      『様』

 『『『 我等が神のご子孫様 』』』


──── 私の村には、かつて一人の勇者がいた。


それは、今からもう千年以上も前のこと。


とある小さな村で人を喰う大蛇が突如として現れ、村を蹂躙するように暴れ回っていた。


畑は踏み潰され、家屋は薙ぎ倒され、村人たちは怯えて夜毎その名を口にしては震えた。

やがて堪えきれなくなった村人たちは、当時この村で最も力のある呪術師────神社に仕える一人の巫女のもとへと押し寄せ、額を地に擦りつけて懇願した。


どうか、あの蛇を追い払ってほしい、と。


心優しい巫女は、その願いを拒まなかった。
事情を聞くと、迷いも見せず、ただ静かに頷き、大蛇の前へと立った。


『どうして村を襲うのですか』


どんな存在に対しても、慈しみを忘れなかった巫女は、恐怖を押し殺しながら問いかける。

しかし大蛇はその声に応えることなく、まるで何も聞こえていないかのように、巨体をくねらせて村を荒らし続けた。


『大きな蛇さん。貴方が歩く度、そのご立派な尾が、村の作物を踏み潰してしまうのです』
『……』
『歩くなと言いたいわけではありません。ただ、村の外へ出るお手伝いをさせていただきたくて』


どれほど言葉を尽くしても、大蛇は巫女を見ようともしない。
その漆黒の瞳は空虚で、巫女の姿すら映してはいなかった。

流石の巫女も、胸の奥にじわりと焦りを覚える。


『ああ、巫女様……どうか、大蛇を始末してください……』
『巫女様、この通りでございます……』
『お願いいたします……巫女様……』


『巫女様』
『巫女様』
『巫女様』


村人たちは一斉に頭を下げた。

巫女が振り返ると、その中には自らの家族の姿もあった。
/ 104ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp