• テキストサイズ

【呪術廻戦】呪いの嫁入

第13章 呪胎戴天





総監部の甘いお誘いを断った後、私は曇天の空の下、弾む足取りで教室へ戻った。


「ただい──…ま?」


でも、勢いよく開けた扉の先には誰もいなかった。

…三人揃って授業をサボっているならまだしも、教壇に先生の影すらない。

それに、もし私だけを置いてどこかへ移動するなら、恵くんが一言連絡をくれるはずなのに。


(何かあったの……?)


妙な胸騒ぎがして恵くんに電話をかけたけれど、端末の向こうから恵くんの声が聞こえることはなかった。


(……いつもなら直ぐに出てくれるのに、どうして)


考えられる可能性は二つ。

恵くんの携帯の充電が切れているか、……もしくは、帳の中にいる。

恵くんのことだから、前者はありえない。だとすれば、消去法で答えは後者だ。


「っ…!!」


堪らず教室を飛び出して、校舎の階段を駆け降りた。

恵くんはいつも、私に黙って任務に行く。

たぶん、それを言うことで私の負担になると思ってるから。



(……でも、何も知らされない方が、私はもっと不安になるんだよ)



踏み込まれるのは嫌だと分かってる。

それでも、今は緊急事態だと思ったから。

だから私は走りながら携帯を操作して、ひとりの"信頼できる補助監督さん"へと電話をかけた。


「……っ、伊地知さん!!聞きたいことが…!」
『苧環さん?!都外の任務に向かわれたのでは!?』
「え…?いや、私はずっと高専に、」


任務の話なんて、今日は一件も受けていない。

伊地知さんのような人が、共有された情報を間違えるはずもない。

だとすれば、答えは一つ。


(……誰かが、嘘をついた?)


何のために、と思考が奪われそうになって、頭を強く振った。

今はそんなことよりも、恵くんたちの安否が最優先だ。


「あのっ、皆は今どこにいますか!?」


必死の問いかけに返ってきた言葉に、心臓が跳ねて足が止まった。
/ 359ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp