第13章 呪胎戴天
「釘崎連れてここから逃げろ!!」
告げられた提案に息を飲む。
そこに、虎杖が含まれていなかったからだ。
「二人がここを出るまで、俺がコイツを食い止める。……出たらなんでもいいから合図してくれ。そしたら俺は、宿儺を出す」
「できるわけねぇだろ!!特級相手に、片腕で!!」
「よく見ろって」
虎杖に促され特級に目をやると、そいつは相変わらず愉悦に満ちた表情で身体をくねらせている。
「……楽しんでる。完全にナメてんだよ、俺達のこと」
「…」
「時間稼ぎくらい、なんとかなる」
「っ、駄目だ…!!」
「伏黒!!──────頼む」
そう懇願するように告げられてしまえば、歯を食いしばることしか出来なかった。
宿儺がこの呪霊を祓う。それしか全員が助かる方法がないと虎杖は理解していて、覚悟を決めた顔をしていたから。
(…………死ぬなよ。虎杖、釘崎)
そして俺は虎杖をその場に残し、罪悪感を押し殺しながら、釘崎の捜索へ全神経を注ぎ込んだ。