第13章 呪胎戴天
「隠すことはない。……全て、知り尽くした」
皮膚を撫でるような声音に、背筋が栗立った。
全部?どこで、どうやって、誰が。私の過去を暴いたというのか。
「貴様の故郷について、個人的に興味が湧いてな」
「こ、きょう……」
「調べたところ、あの村では、術師は特定の術式を持ってしか産まれないらしい」
初耳だった。
まさか、そんな言い伝えが私の村にあったなんて。
「己の呪力が付与された万物を操作できる───こんなにも優れた術式は珍しい」
「………そう、ですね」
誤魔化すのはやめた。
術式の根幹まで言い当てられてしまえば、これ以上しらばっくれても意味がないと思ったから。
「それでも、私は一級には到底及びません。……まだ、実力不足です」
七海さんをはじめとした一級術師の先輩方の隣に並ぶには、私には決定的な"何か"が足りない。
それに、準一級の中でも、私より格段に戦闘能力に優れた術師はいたはずだ。
「我々の情報収集力を舐めてもらっては困る。
貴様のその術式は、少し捻れば"反転術式"に似た運用が可能になるはずだ」
「っ……反転、術式……」
その言葉に、心臓が跳ねた。
もしそれが叶うのなら、願ってもないことだ。
誰かを助けることが私の存在意義。
だからずっと、己の手で死から人を救い続ける硝子さんに、私は憧れていた。
…だけど。
「……硝子さんに何度もやり方を教えてもらいましたが、できませんでした」
俯いて事実を告げると、どこからか「そうだろうな」と、すべてを見透かしたような嘲笑が返ってきた。