第13章 呪胎戴天
本鈴ギリギリで教室に滑り込むと、談笑していたらしい釘崎と虎杖の視線が酷く突き刺さった。
「………伏黒、アンタ何したわけ」
「……別に何も」
「嘘つけ」
女の勘というやつか。
こんなにも直ぐに悟られるくらいなら、いっそ開き直って、ナマエと一緒に堂々と遅刻でもしてやれば良かった。
「この顔見てもういっぺん言ってみろ」
「うう~……っ」
俯いて逃げようとするナマエの顎を無理やり鷲掴み、釘崎が真っ赤な頬を指差した。
逃げ場を完全に防がれたナマエは、困り果てたようにギュッと目を瞑り固まっている。
「そんな怒んなって。元はと言えば釘崎が───」
「虎杖」
「ハイ、スンマセン」
すかさずフォローに入ってきた虎杖が無駄なことを言う前に制止し、俺は冷静を装って視線を逸らした。
それを見た釘崎は面白くなさそうに鼻を鳴らし、ナマエの頬を片手で強く押しつぶす。
「…いいわ。アンタが言わないなら、この子に聞くから」
「ヤメロ」
「止めない」
「…………」
本気で止める気は無さそうだ。
とはいえ、ナマエは感情がすべて表に出てしまうタイプ。
釘崎に誘導尋問でもされてしまえば、バレるのも時間の問題だろう。
「わっ、私はっ、───黙秘…!!!」
「あっ、コラ待て!!逃げんな!!」
自分でも隠し通せないと悟ったのか、あるいは危機察知能力が働いたのか。
ナマエは釘崎の腕から器用にすり抜けると、教室内を逃げ回り始めた。