第13章 呪胎戴天
差し出された紙パックを小さな手ごと上から包み込む。
そのまま自分の方へ引き寄せ、ストローから液体を吸い上げた。
(甘ぇ………)
普段甘味を口にしない分、余計にその甘さが際立っている気がする。
自分でも分かるほど眉間に皺を寄せながら口を離すと、なぜか顔を真っ赤に染めたナマエと視線がぶつかった。
「っ……ご、ごめん。……なんか、変なこと考えちゃった……っ」
「………は??」
こいつは何を馬鹿正直に白状してるんだ。
というか、今の流れのどこにそんなスイッチがあったのか、俺にはさっぱり理解できない。
それなのに、気まずそうに視線を逸らして手のひらで顔を隠す様子を見ていると、こちらまで感化されてしまう。
「その顔で教室戻れんのか」
「あ……う、ごめんね…っ、すぐ、治すから」
湧き出した加虐心に任せて言葉を投げれば、ナマエは逃げるように目をギュッと瞑り、さらに頬を赤く染め上げた。
「ナマエ、」
「………?」
ふと名前を呼べば、おずおずと開かれたナマエの瞳が、ゆっくりと俺を映し出す。
その瞬間。
廊下の窓から差し込む光に包まれながら、俺はナマエの唇に自分のそれを重ねた。
「…………えっ、」
色気のない声に目を開けば、ナマエは先程の不意打ちに目を見開いたまま、石のように固まっている。
「……げ、げんかく…?」
「違ぇよ」
「っ、」
俺の行動を白昼夢に変えようとするなら、何度でもわからせてやる。
そう決めてもう一度唇を重ねれば、ナマエはピクリと肩を揺らした後、うっとりと目を閉じた。
「っ、……ん、ふ……ぅ」
「……、…」
こじ開けるように舌を差し込めば、どちらのものか分からない、甘いフルーツオレの味が舌に残る。
相変わらず甘いが、この味は悪くない。
夢中になってナマエの口内を執拗に暴いていると、遠くで予鈴のチャイムが鳴り響くのが聞こえた。