第12章 鉄骨娘と元神様
俺の前では決して見せない、我儘で、傲慢で、剥き出しのナマエ。
何となく、それがコイツの本当の姿なのだと直感した。
子供のような意地も、自分の強さを過信してまで他人を守り抜こうとする傲慢さも。
どこか深い場所に押し込められていたものを、五条さんと釘崎の手によって、強引に引きずり出されている。
「いい加減 負けを認めなさいよ!!」
「負けを認めるのは釘崎さんの方でしょ……!百万歩譲って引き分け…!」
「私は運が悪かっただけよ!アンタの方に呪霊が流れたから!!」
「負け惜しみ……」
「はあ?今 何か言った?」
図星を突かれて凄み、至近距離でナマエの顔を覗き込む釘崎。
対するナマエは謝罪することも怯むこともなく、ふい、と不貞腐れたように顔を逸らしてみせた。
(………俺には、出来なかった)
長年一緒にいたはずのナマエの、見たこともない一面を見せつけられている事実に、胸の奥が焼けるように疼く。
あの日、俺がナマエを突き放してしまったあの時。
俺も釘崎のように正面からぶつかっていれば、コイツはもっと早く、自分を取り戻せていたんじゃないか。
そう思えば思うほど、自分の不甲斐なさに吐き気がした。