第2章 わるいこ
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────── 翌日
「。今日、僕と恵で任務に行くんだけど、来る?」
まだ覚めきっていない頭。知らない天井をぼうっと見上げながら朝を迎えると、視界の端から五条さんが姿を表した。
驚いて身を起こすと、五条さんの額と私のそれがぶつかり鈍い音が鳴る。
「あぅ……ごめんなさい」
「ヘーキヘーキ、これくらいで痛がる五条さんじゃありませーん」
「そ、そっか…」
良かった、と胸を撫で下ろす間もなく、五条さんは「どうする〜?」と話の軌道を戻した。
「えっと……ニンムって…?」
「ああ、そっか。ごめん」
私が首を傾げると、五条さんは私の頭を軽く撫でながら「任務ってのは呪霊を祓いに行くこと」と補足した。
呪霊、その言葉と存在の脅威は、小さい頃から何度も聞いた、聞かされた。
早く行かなければ、と先急いだ私は、五条さんへの返事も忘れてベッドを飛び降りる。
「〜、お返事は?」
「っ、い、行きます!ごめんなさい、」
「なんで謝るの」
ぴしりとその場で固まりぎこちなく返事をすると、五条さんは返事ができてえらい、と私の頭を撫でる。
「まだ時間に余裕あるから、ゆっくり準備しな」
「は、はい……!」
怒られずホッとした私はこくんと頷き、周囲を見渡して巫女装束を探した。
それは呪霊を祓う時の正装。
呪霊から私を護ってくれる、村のみんなが作ってくれた大切なもの。
だけど、探しても探しても、見当たる場所にそれはない。
「あっ、あの…五条さん、」
「ん〜?どしたの、」
「あの、えっと、私の巫女装束……どこ…?」
私の問いかけに、今度は五条さんがピシリと固まった。