第2章 わるいこ
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「〜、そろそろ帰るよ〜」
「……」
恵と一頻り話し終えた僕はと津美紀を追って、恵の家に向かった。
渋々中に迎え入れられて玄関口からその名を呼んでみるけれど、が降りてくる気配はない。
「あっれぇ〜?お邪魔しまー…」
「俺が呼んでくるので、そこに居てください」
「………可愛くねー…」
靴を脱いで家に上がろうとした瞬間、恵に服を掴まれて玄関へ引き戻された。
そして今度は恵が靴を脱ぎ、面倒そうに2階へと向かう階段を登っていく。
出会って既に3年は経っているはずなのに、未だに信頼の欠けらも無いのか、なんて珍しく悩んでしまう。
「…さ〜てと、2人が仲良くなれればいいんだけど」
元々をここに連れてきたのはそれが目的だし。
将来 呪術師になることが決められたと恵。
2人は数年後には同じ学校に通ってもらうんだし、今のうちから仲良くしておいた方がいいでしょ。
「は恵にビビりっぱなしで先行き不安だけど」
そう呟いて恵が上がっていった階段を見上げていると、ズル、ガタ、と何かを引きずるような音が聞こえ始める。
「っ……、く、そ」
不思議に思ってじっと階段を眺めていると、ふたつの影が姿を現した。
思わずサングラスを取ってそれを凝視すると、そこにはなんと、をおんぶした恵!
なんだ、全然心配すること無かったじゃん!超仲良ししてるじゃない!偉い!さすが〜!
そう褒めてやろうと、僕は恵とが降りてくるのをいまかいまかと待っていた。