第8章 百鬼夜行の、その最中※
「…………オイ」
顔を挟む柔らかな感触を両手で無理やり押し返し、下から鋭い視線を向けると、小さく首を振るナマエと目が合った。
「や、やっぱり、恥ずかしい……っ」
そう呟いたナマエは困ったように眉を下げ、涙目でこちらを拒もうとしている。
ただ、言葉とは裏腹に、その奥からはさらに熱を帯びた蜜が溢れ出し、こちらを誘うようにひくついていた。
あれだけ計画的に男を煽り散らしていたくせに、今更人並みの羞恥を盾にするなんて、虫が良すぎるだろ。
「………うるせぇ」
言葉で諭すのを止め、代わりに目の前で淫らに赤く色づいた突起へ、熱い舌先をねっとりと這わせる。
「ぢゅっ……ちゅ、れろ……っ」
「ひゃっ……んんッ! あ、ぁあッ!」
指で薄皮をすり上げ、逃げ場を奪うように一気に口内へ吸い込んだ。
そして熱い粘膜で包み込み、強烈に存在を主張し始めた突起を左右上下に転がして、
舌の先で弾き、歯を立てないギリギリの強さで執拗に吸い上げる。
「あっ……や、イっ───!!」
逃げようとする腰を強引に引き寄せ口腔の熱を逃さず押し当てれば、
ダイレクトに脳を焼くような刺激に、ナマエの身体は一瞬でビクン、と弓なりに大きく波打った。
(………今、言いかけてたな)
果てる時に使う、その直接的な言葉。
それすらも知識として蓄えている事実に腹が立つと同時に、狂うほどに脳が興奮した。
霰もない姿も、鼻にかかったエロい声も、淫らな単語も、全部。
こいつの口から聞くことは生涯ないと思っていたのに。
「はっ……はあ、っ…あ」
視線をふらふらと彷徨わせながら、瞬きの合間に涙を零すナマエ。
その姿に、休ませてやりたい、なんて生易しい理性が一瞬だけ顔を出した。