第7章 愛の形
そもそもあの時は、五条さんの思惑に乗せられるのが嫌で敢えてヤらなかっただけだ。
恐らく、それもわかった上で煽っているんだろうが───だからこそ、一発殴らなければ気が済まないほど腹が立つ。
「年頃の連中にそんなドギツイ燃料投下してやるなよ、悟」
「しゃけしゃけ!!」
その声と共に現れたのは、さっきまで隠れていたパンダ先輩と、いつの間にか合流していた狗巻先輩。
「俺たち健全な男子高校生も居るんだし。色々想像しちゃうだろ~?」
そんな外部からの制止に若干頭が冷えたが、目の前で煽るようにニヤつく大男の顔面が、すぐさまその熱を引き戻してきた。
「想像〜???やだ、想像だって恵〜!いいの?想像されちゃって」
「いい加減黙ってください、マジで殴りますよ」
「やだ怖~~い! ナマエ助けて~~!」
逃げる気も、助けられる気もないくせに。
ただ俺を煽り続けるためだけに、五条さんはナマエを子供のように軽く抱き上げた。
「わっ……!高っ、」
突然宙に浮かされたナマエが驚いて五条さんの肩に手をかけると、五条さんは抜かりなく口元を緩ませて俺の既に逆立った気分をかき乱す。
結局、先輩たちの制止なんて屁でもないと言わんばかりに、五条さんの品のない弄りは暫く終わらなかった。