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【呪術廻戦】呪いの嫁入

第7章 愛の形


じりじりと夏の日差しが照りつけるグラウンド。

その中央に立った恵くんの背中は、さっき私に向けていたときよりも、どこか張り詰めて強張っているように見えた。


「なんだよ恵。ませてんな」
「……」
「否定しねーのかよ。分かりやすい奴」
「…やめてくださいよ」


待ち構えていた真希さんがニヤニヤと茶化しながら恵くんの髪をぐしゃぐしゃに掻き回し、恵くんは分かりやすく嫌そうな表情でそれを強く払い除けた。


禪院真希先輩。


御三家のひとつ、禪院家の血を引きながら、呪力を持たずに生まれた人。

今は禪院家への"嫌がらせ"のために呪術師の道を歩み続けているという、強くて真っ直ぐな人だ。


そして恵くんもまた、禪院の血を引いていると聞いた。


こうして目の前で二人が並んでいるのを見ると、立ち姿や重心の置き方に、どこか通じ合うような雰囲気を感じる。


「ナマエ、体調悪いのか」
「えっ、あ、いえ!問題ありません!」
「そうか。無理はすんなよ」


慌ててそう答え、反射的に深く頭を下げると、真希さんの手が私の頭にぽんと置かれた。


(……あ。ちょっとだけ、撫で方が恵くんと似てる)


髪に触れる指先の乗せ方、ほんの少しだけ雑で、けれど大切に扱ってくれるその感触。

親戚だと知っているからそう感じてしまうだけかもしれない。

けれど、二人の共通点を見つけた気がして自分の顔が緩むのが分かった。


「…………」
「なんだよ、男の嫉妬はみっともねぇぞ」
「…別に、嫉妬とかしてません」


真希さんに肘でつつかれた恵くんはふいっと露骨にそっぽを向き、吐き捨てるように小さな溜息を漏らす。

その不機嫌な横顔が心配で声を掛けようとしたけれど、真希さんに「気にすんな」と快活に背中を叩かれた。


「もうすぐパンダと棘が来る。私はこの後用があるから、後はアイツらに稽古つけてもらえ」

「……わかりました」
「ありがとうございます!」


その後、真希さんは「じゃあな」と短く言い残し、翻したポニーテールを夏風に揺らしながら寮の方へと颯爽と歩き去っていった。
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