第6章 堕神※
温かい手のひらで頬に触れたまま、ナマエの親指がゆっくりと俺の唇の端を撫でる。
その仕草があまりにも愛おしくて、思わず目を細めた。
こんな風に真っ直ぐ求められて、年頃の男が拒める訳がないだろ。
「……お前、…それ他の奴に言うなよ」
掠れた声でそう告げると、ナマエは不思議そうに瞬きをして首を傾げた。
「言わないよ…?恵くん以外、いらないから」
「っ……、」
まるで俺がおかしなことを言っているかのように、当然だと言わんばかりに即答されて、思わず力が抜ける。
「………殴っても止めねぇ」
「え…」
「本気で嫌だったら、術式使えよ」
無自覚とはいえ、散々煽ってきたことを後悔させてやる。
そう心に決めて、俺はもう一度、ナマエの柔らかな唇に噛み付くように口づけた。
「っ……ん、ぅ」
舌を差し込んでも、もうナマエの身体は怯えたように震えたりしなかった。
それどころか求めるように俺の舌を追いかけてくる──その妙に学習能力の高いところに、思わず脱帽しそうになる。
片肘はソファに体重を預けたまま。
自由になった片手でナマエの控えめな膨らみを優しく包み込み、手のひら全体で硬くなった突起をゆっくりと擦り上げた。