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【呪術廻戦】呪いの嫁入

第5章 オーバーライト※




三人でテーブルを囲んでケーキを食べ終えたあと。

頃合いを見て恵を半ば強引に追い出し、ようやく久しぶりにナマエと二人きりになれた。

本当は夕方にはこの状況になるはずだったのに。
まったく、余計な邪魔が入ったもんだ。


それに、他愛もない会話をして笑って終わるつもりだったのに──それ以上に聞かなければいけないことが出来てしまった。


──ナマエの中に澱む呪いの、"発散方法"。


この僕がどれだけ手を尽くしても消せなかったナマエの呪いが、恵という異物によって動かされた事実。

その確認だ。


「恵くんも喜んでくれて良かったですね、五条さん!」
「ん?あー……うん、」


僕には全くそうは見えなかったが、ナマエには感じるものがあったらしい。

まあ、小さい頃から二人を一緒に居させたのは僕だし、情が湧くのは計算内だった。

でも、まさか、僕が気づかないうちに色恋に発展するなんて。


「………はぁ〜〜〜」


混乱する頭を休憩させるように、大きなため息を吐いた。

あの時は恵の前だからと平然を装ったが、内情は穏やかじゃない。

僕が慈しみ、一滴の不純物も混じらないよう大切に育ててきたナマエ。

それがあの恵に組み敷かれ、あられもない声を漏らす姿なんて──── 死んでも想像したくなかったのに。


「ご……五条さん、どうしたの…?」
「え、」
「私、何か気に障ることした…?」


不安を滲ませた声に視線を向けると、ナマエは眉尻を下げ、恐る恐るこちらを見上げていた。

敬語が抜け落ちた子供の頃の話し方。

その無防備さに、懐かしさと胸を締め付けられるような愛おしさが同時に込み上げる。


「紅茶、不味かった?食べたかったケーキ、私が食べちゃった?それとも、」
「待って、ちょっと落ち着いてナマエ」


恵に対しての───いや、アイツにナマエを委ねきれない自分自身への苛立ちが、隠しきれずに表に出てしまっていた。

慌ててナマエの頭を壊れ物を扱うように撫でるが、不安そうな表情はなかなか和らぐことはなかった。
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