第5章 オーバーライト※
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「もう大丈夫なの?」
ご飯を食べ終わった後、養護教諭の先生にそう問いかけられ、私はこくりこくりと頷く。
「そう…。呼びかけても起きないものだから、病院へ連れていこうか迷ってたのよ」
その手配で職員室に行ったら引き止められちゃって、と雑談を続ける先生の言葉は、今の私にはほとんど頭に入ってこなかった。
さっきから頭の中は恵くんの事でいっぱいで、思い出すだけで視界がくらくらしてしまう。
「……?ミョウジさん、本当に平気?」
「へっ!?あ、平気、…です」
のぼせたような感覚から抜けきれない私を見抜いたように、先生に顔を覗き込まれる。
私が慌てて手を振ってごまかすと、先生は「お大事にね」と困ったように微笑んだ。
────キーンコーンカーンコーン
五時間目の授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
私は空になったお弁当を袋に入れてバッグに戻し、先生にお辞儀をして保健室を後にした。