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アブシールの英雄

第5章 第五話


その後ろからソルトが付いて来て、シンフォニアの姿に驚いている。

「わぁ!可愛い人だなぁ!グリフィスの娘!?」

(言うと思った…しかもいつの間にか呼び捨てになってるし…)


ソルトの言葉に、ユリウスは心の中で突っ込んだ。←呼び捨てについては人のこと言えない

「いいえ。私はこの方に片思いをしている図々しい女です」

シンフォニアはにっこり微笑んで、はっきりと言った。

「そのように自分を卑下するものではない」

グリフィスも、少し困ったような様子でシンフォニアをたしなめた。

「だって本当のことですもの。

何を言われても、私はあなたのものです」

しかし、シンフォニアは笑顔のまま首を振ってそう言った。

「熱烈!(男冥利に尽きるよな~)」

ソルトは顔を赤くしながら言う。

(言われてみてぇ…)

と、ハリスも天を仰いだ。

「俺には…理解できない、少しも。

でも、なぜか分からないが胸が苦しい…」

ユリウスは二人とはまた違う反応をしていた。

「……」

グリフィスは、なぜかその様子を何か考えるように見ていた。

「うふふ。私は今、最高に幸せです。だって、大好きな方のおそばにいられるのだもの」

そう言ってシンフォニアは終始笑顔でキラキラしていた。

「シンフォニア、部屋に下がりなさい。鍵はしっかりとかけるように」

「はい、グリフィス様」

グリフィスの言葉に、シンフォニアは素早く頷き、去っていった。

((あんな彼女欲しい…))

と、ソルトとハリスの心を奪っていったのは、また別の話。
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