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アブシールの英雄

第4章 第四話


ソルトはもう、遠巻きに見ていることしかできなかった。

(ほぉ…。
だいぶ達観した餓鬼だと思っていたが、年相応に青いか…)

アウグストは、次の攻撃に備えつつ、そんなことを思っていた。

「それはお前次第だな」

そして、口ではさらに煽るようなことを言う。

ユリウスは、近くに飛んできたソルトの短刀を拾い、己のフルーレを踏みつけるアウグストの足を狙う。

アウグストが避ける、その足の浮いた瞬間に、ユリウスはフルーレを引き抜き、アウグストの首元めがけて突き出そうとするも、体勢を立て直しつつし突き出されたアウグストの剣先が、ユリウスの鼻先に迫るほうが早かった。

ユリウスは、その太刀をフルーレで受け流し、左の短刀でアウグストの喉首めがけて振り上げた。

しかし、その手もアウグストに掴まれ阻まれる。

「恐れのない、いい眼をしている」

アウグストと接近し、ユリウスが睨みつけると、その眼を見て彼は言った。

「恐れなど、…あるものか!!」

ユリウスはそう言ってアウグストに体当たりしていく。


「あ~あ。グリフォンよりユリが怖くて近寄れねぇよ…マジだよあれは(アイツ…やっぱまだガキなんだなぁ…)」


ソルトは遠くから二人の戦いを見ながら呟いた。

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