第3章 第三話
鋭い眼光がユリウスを捕らえた。
しかし、ユリウスも怯むことなく言う。
「オーギュスタン家は、もう私には関係のないことです。縁を切りました」
「…そうか。しかし、お前が思っている以上に『血』とは重く、深いものだ。
ただの数年で切れるほどに、軽いものではない。
ここで証明されただろう?」
アウグストは、ユリウスの言葉に、少し考えるような表情をしながら言った。
「…俺にはまだ、それが信じられません…」
ユリウスは珍しく少し動揺したような声で答えた。
「…ユリウス。お前は実に興味深い。
私はお前が、今後必ず類まれなる存在になっていくと思っている。血筋ゆえか分からぬが、その存在感…」
とアウグストは言う。
「貴方がそう言うのでしたら…そうなのでしょう」
ユリウスは少し俯きながら言った。
「…マーレンは愚鈍な領主であったが…優秀な子ども…孫に恵まれたようだな」
アウグストは、ユリウスを見ながらも、どこか遠くを見ているようだった。