第14章 甘い蜜とうたた寝
一方、そんな紅海の、同様を他所に
あ、ヤバい、意識飛んでた…
五条が夢の中から戻ってくる
しかも、紅海の肩借りてんなぁ…とボーッと思う
しばらく気持ちよくて肩を借りたままにしていたが
もしかして、紅海、完全に固まってる?ふと思う
これ、多少は、意識してくれてるって解釈でいいのかな…と、わずかに口元が緩む
このまま起きるのは、簡単だったが
困っている紅海が可愛く思えて
少し意地悪をしたくなって寝たふりをしてしまう
紅海は、完全に思考停止していた
映画は、もう終盤のはずなのに内容を覚えてない
エンドロールが流れ始めた頃
五条の肩が、ほんの少し揺れた
「…ふふっ」
抑えきれない笑いが、喉から零れる
『え?』
紅海が、びくっと反応する
五条は、そこでようやく、ゆっくりと目を開けた
「あー…ごめん」
頭を上げて、軽く首を回す
「つい、気持ちよくて、寝ちゃってた」
『…う、うん』
紅海は、ようやく解放されて、でも動き方を忘れたみたいに固まったままだ
「起きてたんだけどさ、紅海の肩の高さ丁度よくて、そのまま借りた」
『えー!?起きてたの!?言ってよ!もぉ!』
五条は、その様子を見下ろして
やっぱり可愛いと思ってしまう
「ごめんって、何?嫌だった?」
冗談めかした声、でも、目は少しだけ優しい
『い、嫌じゃないけど…ん?あ、いや、違う!
嫌じゃないって言うのは違ってて…
起こすの悪いし、しょうがないから
肩かしたけどって言う意味だからね?』
小さく絞り出すような声
自分の部屋で、こんなに近くに2人きりで…
ドキドキしない方がおかしい…よね…多分
悟はモテそうだし、そんな事、
なんとも思っていないんだろうなぁと紅海は思う
五条は、またソファにもたれながら、柔らかく笑った
「楽しかったよ、紅海といるとさ」
それ以上は言わないし言えない
紅海の事が好きだと言う気持ちは確実に有るし
他の男にとられたくないと言う自分勝手な独占欲もある
でも、紅海の気持ちを、何よりも優先したい
なにより、自分の気持ちを明かした時に
世界が変わらないか…
五条には珍しく不安がよぎる
中途半端だと自分でも解っている
「結局、僕ってズルいんだよなぁ」