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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第14章 甘い蜜とうたた寝


夕方の高専

事務室で五条悟は壁にもたれていた
紅海が任務報告を書き終えるのを待っているのだ

紅海を襲うのが呪霊なら問題ない
あの呪力量と判断力があれば、対応できるだろう
問題は人間の方だ
呪力を使わない攻撃
銃、刃物、毒、拘束
呪術師同士の戦いに見せかけて
決定打だけ「呪術でない」ケースも有る

最近、呪詛師、協力者、金で雇われた“一般人”
紅海は全て対処している
だからこそ、上は何も動かない
「紅海さ」
声をかけると、何?と、紅海は顔を上げて笑った

「任務以外で狙われてるんだから、いっそ、春休みって事で休んだ方が良いんじゃないの?」
軽い調子だ

紅海は一瞬きょとんとして、それから首を振った
『昔から、そういうの慣れてるから、大丈夫だよ?
悟、どうしたの? 心配しすぎ…珍しいね?』

その返答が、悟の胸に小さな棘を残す
「じゃ何? 僕が心配するのは迷惑ってわけ?」
少しだけ、語尾が尖った。

『そうじゃないよ!』
紅海は慌てて否定する
『なんて言ったらいいんだろ…
あーもー、悟に迷惑かけたくないんだよ』
「は?迷惑とも思ってないって」
五条は理解不能と言う様な顔

紅海は黙り込む
視線を落とす
『でも…呪術師だって、足りてないでしょ?
私だけ特別扱い、って訳にはいかないよ
何かあったら、ちゃんと緊急報告するしさ』
それは理屈としては正しい

今、紅海は、問題なく対処できている術師だ
だから、誰も紅海を守らなくても良いと考える
それが五条にとって一番の問題

紅海は、自分が狙われる理由を知らないし知ろうともしない
昔からそうだったから、と受け流す
自分の価値を、必要以上に低く見積もる癖

「…ねえ、紅海
君さ、自分がどれだけ“目立つ呪力”してるか、分かってる?」
五条の六眼にはどう映っているのだろう
『うーん…多い、とは言われるけど』
その軽さが、胸を締めつける

「呪力量が凄いからって、呪詛師や金積まれた人間が襲ってくるとか尋常じゃないでしょ?」
紅海は、ただ、少し困ったように笑った

敵の輪郭も見えないのに、大丈夫とは言い切れない
最強でも、いつでも紅海を守れるとは限らない
だからこそ、五条の不安だけが濃くなる
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