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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第13章 瞑想とチョコ



「ほら、せっかく由布湯と紅海が
久しぶりに話してるのに
あんた、わざと邪魔してるでしょ?」

歌姫は、遊佐と紅海の間に入った五条を退かし
たしなめるというより、少し呆れていた

五条は肩をすくめ、悪びれない笑顔を浮かべる
「えー?別に?僕、通常運転だけどなぁ
…それとも何?歌姫が構ってほしいみたいな?」
「さみしがり屋みたいに言うなぁ!」

ぴしゃりと言い返す歌姫の声に、五条は楽しそうに笑う
そのやり取りは、いつもの軽口で、長年続いてきた呼吸

仲がいいな、と思う
じゃれ合っているだけ…
そう、頭ではちゃんと理解している
けれど、何でだろう…心の奥で何かが離れていく様な
不安な気持ちになる

それでも、笑顔を頑張って作る

「な?紅海?」
不意に、五条がいつもの調子で話を振ってきた
軽く、当然のように
『え?もー、悟…歌さん怒ってるよ』
言った瞬間、紅海自身が「あれ?」と思うほど、ぎこちなかった
五条も一瞬、瞬きをする…ほんのわずかな違和感
でも、それが何なのかまでは掴めない

「まぁまぁ、庵さん。挨拶も済んだみたいやし、そろそろ新幹線の時間もありますし…」
場を整えるような、遊佐の優しい声
『え?遊佐くん、もう行っちゃうの?』
名残惜しさが、素直に滲む
「今度、紅海ちゃんが京都来た時、お茶でもしよな?」
『うん』
短いやり取りなのに、空気が柔らぐ
五条の視界に、その二人の並びが妙にくっきり映る
何だよアイツに、そんな笑顔振り撒くなよ…胸の奥で小さく軋む

やがて、遊佐と歌姫は並んで校舎を後にした

少し冷たい夕方の風が通り抜ける
五条は、沈黙が気に入らなくて、わざとらしく声を出した
「いやー、まさかアイツが来てるとは思わないよねぇ…紅海、楽しそうだったね?」
軽い調子のまま
「僕のあげたシュシュ、似合ってるやん!
え〜、やだー!ありがとー!みたいな?」
ふざけた再現に、自分で笑う
『あー、もう、悟、ふざけすぎだよ!』
いつも通りに五条の冗談に返したはずなのに
「ん?紅海…」
紅海の返事に違和感を感じる五条
『え?何?』
「いや、何でも?おっと、伊地知から着信!」
そう言って、五条は任務に向かった

見送る、紅海は、自分の胸の奥に生まれた違和感を
言葉にできないまま飲み込んだ
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