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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第11章 目覚めと目覚め


数分歩いて、紅海が止まる
『…あれ?』
曲がるはずの角がどこだったか
記憶と、微妙に噛み合わない
五条は紅海を見る
紅海は見るからに酔っぱらいで、夜風に揺れている
「紅海」
『んー?』
「迷子?」
『あっち…?じゃない…こっち…?』
腕を伸ばして指した方向は、さっき来た道だった
「あ~、お前さ完全見失ってるよな?」
五条はため息まじりに笑う
そういえば、紅海が京都から東京に異動してきてから
彼女のアパートに行ったことは一度もない
場所が解らないのだ…

「まったくさぁ、酔っぱらいってのは、手が掛かるよね~
はい、ちょっとごめんね」
そう言って、紅海の肩を支えたまま、器用に紅海の鞄から財布を抜き取る
中身を一瞥して、すぐ目的のものを見つけた
免許証…金色の帯を見て、ニヤつく五条
「…出ました、ペーパードライバーの鑑だねぇ」
『うるさい…』
「おいおいおい、しかも…」
住所欄を見て、眉を上げる
「京都のまんまじゃん
紅海、お前、住所変更してないとか、
どんだけ面倒くさがりなの?」
『えへへ忘れてた』
「褒めてないからね?ったくさぁ、早くコッチの住所に書き換えろよな」

財布を戻しながら、しばらく考える…
高専関係に聞く、硝子、七海に電話する
選択肢はいくつか浮かぶ
「ま、いっか」
面倒になって五条は歩き始める

『…どこ行くの?』
「俺んとこ」
高専内の宿舎だ…ここから近い
紅海は歩みを止め、五条のコートを掴む
『…悟…怒ってる?』
「全然?」

歩きながら、いつもの調子で言う
「だいたいさぁ、お前も高専内に住んでたら、
こんなややこしくならないのに、
何でわざわざアパート借りるかなぁ」

少し間があって、紅海は小さな声で言った
『皆に甘えちゃうかもって思って…』
五条は笑う
「ほんと、紅海はさぁ、自分に厳しいよな?
良いじゃん?甘えろよ?」
『無理だよ、わがまま言うかもしんない』
「紅海のワガママなんか、僕のワガママに比べたら蟻んこでしょ」
『アハハ、何それ、悟…ありがと
…あ、コンビニだ』

五条が振り返ると
いつの間にか、紅海はコンビニの明かりを見上げていて、そこで会話が途切れる
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