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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第11章 目覚めと目覚め


酔っぱらいの紅海を迎えに来てもらうために、
硝子は迷いなく紅海のスマホを使って悟を呼んだ
紅海本人はというと、もう七海の袖を掴んで、
何か分からない京都の話をフニャフニャ続けている
硝子が五条を呼ぶ事に関して七海としては—正直、面白くない
「…私が送っていっても、大丈夫ですよ」
声は穏やかだ
理屈も通っている
術師としても、人としても、七海が送るのは“正解”だ
硝子は一瞬だけ七海を見る
確かに、七海が送るのも有り
紅海は安心するだろうし、七海は真面目だから何も起こさないだろう

でも—“あいつ”が、どう出るかを見るには、今がちょうどいい
硝子はスマホを耳に当てたまま
「って、七海が言ってるけど、聞こえた?どーする?」
向こう側で、一拍、間が空いた

「……はっ、七海が?」
何に対しての軽笑または冷笑か苦笑なのか

硝子は口角だけ上げる
「紅海、結構飲んでる…
自己評価下がってて、めんどくさいモードだよ?」
『ちょ、硝子ぁ…勝手に言わないでぇ…』
本人は抗議のつもりで呟くが、力がない

電話口で、短く舌打ちが聞こえた
「迎えに行くに決まってんじゃん」
即答だった
七海の眉が、ほんの僅かに動く
「今どこ?」
「高専近くの居酒屋、位置送るよ
早めがいいよ、今にも寝そう」
「五分」
通話が切れる

硝子はスマホを下ろして、七海を見る
「…ということで」
七海は静かに息を吐いた
「…分かりました」
納得したわけじゃない、不満もある
でも、今日は紅海の誕生日だし変な空気にもしたくない
引くところは引こう…

その横で、紅海は安心したように硝子の肩に額を預ける
『…悟、来るの?』
「来る来る、5分かかる…もう少しだけ待ってよ」
紅海は小さく「うん」と答えて、グラスを持って目を閉じた
その様子を見ながら、硝子は自分の選択が正解だったのか…それとも
これは硝子なりの
悟が“どこまで自覚してるか”の確認でもある
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