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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第37章 都と帳



「……じゃ、シャワー浴びて、ちょっとどけ時間だけ寝るよ」
そう言い残し、隣室へ入っていく

静かに扉が閉まった


遊佐はその扉を見つめ、小さく息を吐く
「五条さん、昨日から、一睡もしてはらへんかったもんな…」

そのまま部屋には、キーボードを打つ音だけが響き始めた

カタ、カタ、カタ―

その音を聞きながら、紅海は閉じた扉を見つめる

『…悟、無理してたよね』
「そら、まぁ、するやろなぁ」

遊佐は画面から目を離さない

「紅海ちゃんの事、心配そうやったしな?」
キーを打つ指は止まらない

「五条さんは、自分のことより、そっち気にする人や…今は、自分のこと考え?」

『うん』
返事はした
けれど、その表情はまだ曇ったままだった

部屋には再びキーボードを打つ音だけが流れる
その一定のリズムに包まれながら、紅海はいつの間にかもう一度眠りへ落ちていか

どれほど眠ったのだろう
目を覚ますと、窓から差し込む光が少し傾いていた
身体はまだ重いが熱はない

昨日の出来事が脳裏をよぎる

硝子が静かに告げた現実
右腕は戻らない
胸の奥が締めつけられる

もっと早く対策を考えてれば…
そこまで考え、首を横に振った

もう、自分を責めないと決めたはずだ
枕元のスマートフォンを手に取る
時間を確認する

「起きた?」
キーボードの音が止まる
遊佐が椅子を回して振り返る
「水、飲める?」
『…うん』
ペットボトルを渡しながら顔色を確かめる

「腹空いてへん?ぼく先に食べさせてもろたし…ルームサービス頼もか?」
『うん、少し空いたかな?』
遊佐は頷きメニューを開きながら笑う
「病み上がりやし…まずは、お粥うどんにする?」

その時、スマホが鳴り、画面を見てスライドさせる
「はい、遊佐です…はい…あ~」

紅海は、遊佐の電話の邪魔をしないように
ゆっくりとメニューを取ろうと、ゆっくり歩く
…と、ふらつく
『わ…』

電話中の遊佐は、片手だけ伸ばし、紅海を自分の方にふわりと引き寄せ支える
「危な…
…はい、失礼しました…ほな、そう言うことで」
電話を切って一言
「紅海ちゃん、気い付けや?」

『ご、ごめん…』
紅海は固まったまま
ゆっくりベッドに座らされメニューを開いて注文する
ご飯を食べると遊佐と少し話して眠りにつく
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