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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第37章 都と帳


誰が敵か分からない以上、自分の目が届く場所に紅海を置く方が安全だった

硝子も、それ以上は聞かない
理由くらい察している
その空気を壊すように、紅海が慌てて布団を押しのけた
『はい!はい!悟!
………わっ』

立ち上がるが、その瞬間、視界が揺れた
足元がぐらりと傾いたが…それでも笑う

『ご、ごめん…私なら、もう大丈夫だから…だから、東京帰ろ?』

そう言って両腕を広げる

『ほら!元気』

言葉とは裏腹に、顔色はまだ白い
本人はまっすぐ立っているつもりだが、体幹がブレブレだ

五条は無言で紅海の肩へ手を置く

「うん…君、全然、大丈夫じゃない
はい座って…」
そのまま軽く押し返す
紅海は抵抗する間もなく、ぽすん、とベッドへ腰を下ろした


五条は穏やかな口調のまま言う
「紅海が、ちゃんと歩けるようになってから
それまでは、僕の言うこと聞いて?」

反論しかけた紅海は、五条と目が合う

『でも?悟も全然寝れてないんでしょ?私なら大丈夫だから、帰ろ?』

その言葉を聞いた硝子は、紅海ではなく五条を見た

「五条」
「ん?」

「休め」
短い一言だった

五条は苦笑する
「命令?」
「提案」

硝子は淡々と続ける
「お前なら一日くらい寝なくても死なない…
でも、だからって寝なくていい理由にはならない
監視なら代わりを立てればいい」

紅海が目を丸くする
『え……』

硝子は続ける
「監視規定…任務以外なら、一級術師か、それに準ずる実力があれば問題ない…五条が休むなら、別の術師を呼べば済む話」

紅海は慌てて首を振った
『硝子、簡単に言いすぎだよ…みんな昨日の今日で疲れてるし……
私の監視のためだけに時間を使わせるなんて、そんな人いないよ』

硝子は少しだけ考える素振りを見せる
「いるでしょ、どこかには」
『え?』

「夕方までぶらぶらしてる一級術師…一人や二人
捕まえて連れてくればいい」

あまりにも気軽な言い方だった
紅海は思わず笑ってしまう

『そんな買い物みたいに言われても……』

「買い物より簡単…術師なんて大体暇してる時は、本当に暇だから任務入ってなきゃ捕まる」

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