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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第37章 都と帳



『……そうだっけ』
紅海は納得したような、していないような顔で頷く

「ほら、もう余計なこと考えずに……今日は、もう寝な?」

その一言だけ残して、五条はとなりのベッドに腰かける
遊佐はその横顔を見つめる。

「はい、由布湯…」
遊佐がそう答えると、五条はメニューを開いて渡す
「遠慮しなくていいよ、今日は僕が出すしね」

「冗談ちゃうかったんですか?」
「由布湯、頑張ってたしね?」
さらりと言う

遊佐は少しだけ口元を緩める
「……ほな、改めて…今日は遠慮せんと、ご馳走になります」
そのやり取りを、ベッドにもたれた紅海がぼんやり眺めていた
熱のせいで頭は重い。
言葉もところどころしか入ってこない。
それでも二人が話している様子は何となく目に映る
『……悟』
「ん?」
五条が振り返る
紅海は少し眠たそうに目を細めた
『遊佐くんと、仲良さそうで良かった』
「……え?」

五条がきょとんとする
『前に言った事有ったでしょ?
遊佐くんと悟は、気が合う気がするんだよねって』
「言われたっけ」
『言ったよぉ』

『なんとなくだけど…二人とも、ちゃんと人のこと見てて面倒見良いし』
遊佐は思わず紅海を見る

五条は少しだけ笑った
「そんなこと考えてたんだ」
『うん…だから、仲良しそうで、ちょっと安心した』
それだけ言うと、紅海はふっと力を抜き、枕へ頬を預ける

遊佐は視線を落とした
……気ぃ合う、か…
そんなふうに考えたことは一度もなかった
自分が術師として高専に入った時は、雲の上の遠い存在だった…
むしろ、有名人過ぎて、近付けない…見たこともない存在

紅海が京都に配属された時は
あの五条悟の同期と聞き、どうにか繋げてほしいと思い…
わざと紅海に近付いた事もあった

それが現在…何故か、ライバルと言う存在…
自分が少しだけ背伸びして対等に話している

遊佐は小さく息を吐く
「五条さん、ほんまにおごり?」
「ん?本当…」

「せっかくやし京都っぽいの食べはったら?」
「じゃあ、一番高いやつ頼む??」

遊佐も小さく笑った
「じゃあ、高いんお願いします」
「正直でよろしい」
そんな他愛もないやり取りの横で
紅海は安心したように、小さく息をつく
二人の声を子守唄のように聞きながら、静かに瞼を閉じた
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