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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第37章 都と帳



救護テントの外
遊佐が車を横付けし、助手席のドアを開ける

「紅海ちゃん…車着いたで
京都高専寄って、シャワーと着替えして帰るか思うたんやけど……歩ける?」

紅海は椅子からゆっくり立ち上がる
『遊佐くん、ありがと……
うん、大丈―― 』
へにゃっと笑い…そして
ふらり…視界が白く揺れる

身体が傾いた瞬間、横から伸びた腕が肩を支えた
「……大丈夫じゃないじゃん」

五条だった

『あれ……?そっかな……』

本人だけが、本気で分かっていない
五条は小さく息をつく

「領域展開した後は、いつも調子悪くなってんでしょ?無理しない」
『あれ?今まで、悟の前で領域展開した事有ったっけ?』
「無い…無いけど!前に、紅海の戦闘記録を見ただけ」

『ふぅん???』
紅海は理解が追い付かない
そのまま紅海を、一旦、医療テントの椅子に座らせると、五条は振り返った

「伊地知」
「はい」

「ホテル取って」
「……ホテル、ですか?」

「今日は京都泊まり…
この状態で東京まで戻るのは無理
帰路で具合悪くなったら、そっちの方が面倒でしょ」

伊地知は一度、紅海を見る
顔色は悪く、焦点も少し定まっていない

「……承知しました」
すぐにスマートフォンを取り出す

「では、三部屋……「いや」
五条が遮る

「伊地知は東京戻って、報告上げといて?
「え……?じゃあ、流鏑馬さんだけ?」
「いや、僕は残るよ、さすがにこの状態で一人にはしないでしょ」

あまりにも当然の口調だった
伊地知は言葉を詰まらせる

「……分かりました…では、お二人分のお部屋を」

「うん、別々ね…ただ、部屋は繋がってるタイプで」

伊地知が顔を上げる
「こ、コネクティングルーム……ですか?」
「うん」

「何かあった時、すぐ行けるし」
「ですが、それはいろいろと誤解を招くのでは……」

「今さらでしょ」
あっさりと言う
「高専でも部屋は隣なんだし」

「そういう問題では……」
伊地知が額へ手を当てる

そのやり取りを、遊佐は黙って聞いていた

……この人そういうとこ、ほんま無頓着なんやな

紅海が倒れたら困る
だから一番合理的な方法を選んでいる
それだけなのだろう

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