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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第37章 都と帳


紅海ちゃん!例え独特すぎやろ!
少し離れた場所で話を聞いていた遊佐は、思わず心の中で頭を抱える

直哉は数秒黙り込んだ

理解できない…馬鹿にされているのか
天然なのか…判断がつかない

「…名前」
『へ?』

「名前や」
『私の?』

「聞こえへんかった?」

『あ、ごめんなさい
東京所属の流鏑馬 紅海です、よろしくお願いします』

ぺこりと頭を下げる
あまりにも素直だった

直哉は逆に調子を狂わされる
「…東京」
やから、最近見いひんかったんか

「あれ?直哉じゃん」
いつの間にか、直哉のすぐ後ろへ五条が立っている
ポケットへ手を突っ込み、いつもの気の抜けた笑顔

「久しぶりじゃない?御三家の集まり以来?」

直哉が振り返る
「…悟くん」

さっきまでの勢いが少しだけ落ちる

「何や…悟くんも来とったんか」

五条は紅海をちらりと見る
紅海は、きょとんとしている

「いやぁ…今回、京都のみんな結構頑張ってたよ
僕なんて最後に帳を一枚壊したくらい」

直哉は鼻で笑う
「悟くんは相変わらず甘いなぁ
結果だけ見たら、東京の術師がおらんかったら危なかったんちゃう?」

「いや、それぞれの役割を果たしてたよ」
五条はさらりと返す

「危なくなったら僕が出るとか言ってたのにさ
現場が回りすぎて、僕の出番無くなっちゃったもんね
…って言う、それだけ」

直哉は返す言葉を探すように黙る

遊佐が少し離れた所から五条の言葉を聞く

…ちゃんと見とるやん

少しだけ、五条への見方が変わる

紅海は顔を上げて、五条と直哉を見ている

「さっきから何見とん…俺が珍しいんか」
『あ…ごめんなさい。』

紅海は慌てて両手を振った
『違うの…二人って知り合いだったんだなぁって思って見てただけで』

一瞬、静まり返る
五条がゆっくり紅海を見る

「…あのさ紅海ちゃん」

『ん?』
紅海はきょとんとした

「僕、一応…五条家当主なんだけど」

『あっ!そうだった忘れてた』

「忘れる?普通そこ忘れる?」
五条は思わず笑う

『だって、悟は悟だし』
「何その理由…」

直哉は呆れたように紅海を見る

「お前…五条家当主捕まえて、頭どうなっとるん」

『え?』
紅海は本気で首を傾げる
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