• テキストサイズ

【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第9章 嘘と観光


待ち合わせ場所
人混みの中から、ゆっくりと近づいてくる影

黒髪。薄く色の入った眼鏡
派手さはないが無駄のない身なり、片手には杖

紅海が、先に気づいてピョンと軽く跳ねて小さく手を振る
『遊佐くん!コッチコッチ!』
「 紅海ちゃん、お久しぶり、えらいおめかしして可愛いやん」

『えへへ、もぉ褒めても何も出ないよ!』
今日は本当に飴ちゃんは置いてきたらしい
『ね、迷わなかった?』
「 紅海ちゃんがおる思たら、多少迷うても何ともないで」

軽く冗談めかして笑い、それから遊佐は五条へ視線を移す
一歩近づき、丁寧に手を差し出した
「初めまして。五条さんですね
ぼく遊佐由布湯(ゆさゆふゆ)言います
紅海ちゃんが、えらいお世話になって…おおきに」

五条は一瞬だけ間を置き
「…いや、逆だよね~?京都じゃ、 紅海が世話になったって聞いてたし
こっちが礼を言いたかったくらいだよ」
満面の笑みで握り返す

遊佐は、ふっと目を細める
「そんな、思てくれてたんやったら
紅海ちゃんが京都おった時に
もっと、はよ言うてくれはったらよろしのに
まぁ、思い出したみたいに言われて…
いや、面白い人やねぇ?」

…くそ、嫌味か?

言葉は柔らかいのに、妙に余裕がある
確かに顔は整っているし、落ち着いている
“理性的な大人”の七海建人とはまた違う
人当たりの良さで場を回すタイプの余裕

紅海が、自分達より3つ下って言ってたっけ

「五条さんには、前から一度お会いしたい思ててん」
穏やかに続ける
「 紅海ちゃんに、昔から
『五条さんに会わせてほしい』言うてたんですけど
えらいお忙しい方や言うて
紅海ちゃん、遠慮して声かけはらへんかったみたいで」

『ちょ、遊佐くん…』
紅海が少し慌てて止めに入る

「今日はわざわざ観光付き合うてくれはるんやもん
あの"五条悟"とお会いできて、ほんま光栄やわ」
にこりと穏やかに笑う

五条は、いつもの軽い笑みを浮かべる
「へぇ…それはどうも…んで、足…怪我してんの?」
「数年前にね怪我してもうて…ほんで呪術師から、補助監督に転向したんですよ…
お陰で 紅海ちゃんと、ずっとペアで仕事させてもろて」

五条は、内心で舌打ちする、いつもなら軽く余裕で気にしない事に腹が立つ
/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp