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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第8章 前日と仕度


紅海は、そういう格好でいい
気取らなくて、誰に合わせるでもなくて、 紅海らしい格好

なのに
“恥をかかせたくない”
その言葉が、妙に引っかかった
誰だよ、そんなこと、気にされる立場のやつ

「さぁて」
硝子が立ち上がり、白衣の裾を払う

「じゃあ、最低限、街に溶け込む服、今日、見繕いに行く?」
『え、硝子、付き合ってくれるの?』
紅海がベッドから立ち上がり、キラキラした目で硝子を見る
「放っておいたら、京都の人が“東京ってラフすぎやん?”
って誤解される事になるし」
『そんなこと言われたら、立ち直れない』

本気で落ち込む 紅海を見て、五条は思わず口を挟んだ
「別に、わざわざ買いに行く事しなくて大丈夫でしょ」
軽い調子、いつもと同じ
「だってさぁ、 紅海は何着ても 紅海だし…
結局、外身だけ変わっても急に中身は変わらないしね」

『悟…それ、フォローになってる?』
紅海は首をかしげる
「なってるなってる」
笑って、手をひらひらさせる
けれど内心では、
別の感情が、じわじわと広がっていた

なんで、服一つ、そこまで気にするんだ
誰の前で可愛く見せようとしてんだよ
一日一緒に歩くだけで…

『あ!そうだ…あのね、悟』
「何?」
『遊佐くんに話したら、悟とも会いたいって…
もし忙しくなかったら…だけど、どう?』
「は!?何?僕が観光付いて行くって冗談、そのまま話したの?」
額に手を当て困る五条
『え?冗談だったの?遊佐くん会う気満々だよ…』
硝子は2人のやり取りを見て、
いつもの事か…とカルテに視線を落とし始めた

「やだ~!東京観光用に着ていく服がない~っ!」
と、広げた両手を自分に絡ませ、わざと 紅海の真似をする
『悟…悟は悟だから、お洒落しなくても良いんだよ…私は硝子と買いに行くけどね』
わざと、言い返す 紅海

「やーだー、恥ーずーかーしーいー!」
『ぷ、ははは!もー、悟、面白い、ふふふっ』
ツボに入る 紅海にツッこむ硝子
「 紅海、甘やかしちゃダメだ」

医務室から賑やかな話し声が漏れ聞こえた
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