第7章 後輩と先輩
お好み焼きを食べ終わり
帰り道、駅まで歩く七海と 紅海
猪野は途中で別れた
紅海と懐かしい話をしながら歩く時間は楽しかった
『え!?あの時、七海、京都にいたの?声かけてよ~っ
あ、いや、でも、見ても、すぐに七海って解らないかも』
「フケたと言いたいんですか…」眉間にシワを寄せる
『ぷっ、ははっ!だって、イケオジだよ?
あの可愛い後輩はどこへ?って…ね?まぁ、冗談だけど…』
一呼吸おいて、 紅海は七海を覗く
『七海、何年か普通の仕事してたって悟から聞いたよ…今は大丈夫?』
あの、おしゃべりめ…目隠しした先輩が頭に浮かぶ
「まぁ、それなりに」
『そっか、良かった…何か有ったら相談してよ?
私に出来る事とか少ないかもだけど…無理なら、悟や硝子もいるしさ』
「ありがとうございます。覚えておきます」
『七海がさぁ、猪野くんみたいな可愛い後輩に頼られてて安心したよ』
「それは、私が後輩に頼られないかもと言う前提での話ですか」
『もぉ、また、そうやって言う…昔から私に反抗的』
「…すみません」
しまった、つい、昔の雰囲気に引きずられてしまう
『いいよ、そう言う七海の正直に言うところ好きだし』
本当に"正直"で有れば、今頃、あなたを困らせていますよ…
と、七海は胸の奥に仕舞う
彼女が東京校に戻ると聞いた時、七海は正直、驚いた
京都に彼女が必要だろうと思っていたから
百鬼夜行の時、七海は京都に配置されていた
京都―― 紅海のいる場所だという事実さえ、その時は意識していなかった
目の前の呪霊を祓う事に集中していたし
何より個人的な感情を差し込む余裕など、なかったからだ
黒閃の記録だって、出そうと思って出した訳でもなく
後から付いてきた様なものだ
疲弊し傷ついていく呪術師達…
だが…
多くの呪霊が囲う中、
次々と祓っていく彼女の姿を目にした瞬間、
忘れていたはずの感覚が、はっきりと蘇った
―ああ、そうだ
自分は高専時代、この人に、確かに惹かれていた