第6章 烏龍茶と公園
真っ暗な思考のどこかから記憶が引っ張られる
ざわざわした声と、甘かったり、香ばしかったり色んな香りがする部屋
「「「「「せーの!」」」」」
突然の、パン!と乾いた音
紙吹雪と一緒に視界が一気に明るくなる
『悟、誕生日おめでとう』
部屋の中央に促され
訳も分からず立たされている五条
「ちょ、何これ、聞いてないんだけど」
『言ってないもん、サプライズだから!』
紅海がニコニコ笑顔で「本日の主役」と書かれたタスキを背伸びして
五条に掛けて王様っぽい手作りの冠を頭に乗せる
硝子が笑いながら、テーブルを指す
「持ち寄りだから文句言わないでね、ケーキは無いけど、 紅海の手作りのそれっぽいのはある」
『そ、それっぽいの!?頑張って作ったんだよ!シンプルすぎる蒸しパンだけど』
紙皿の山、スナック菓子、ペットボトルのジュース。
クラッカーの残骸。
「じゃぁ、まぁ、まず一枚撮りましょうよ!!」と、灰原の声掛けで
五条中心にソファに座り皆で写真を撮る
ああ、そうだ
12月7日
自分の誕生日
あの時の想い出…
力が一段上に覚醒したと自覚していた
そこから出来ることも増えて充実している
その分、自分が必要とされる任務が増えて、授業もでない日が多くなった
この間、11月に硝子の誕生日パーティーをサプライズしたはずなのに、もう1ヶ月経ったのか
「悟、これジュースどれ飲む?」
夏油が五条に、お前が主役だからなと、先にジュースを選ばせ
七海も「こんなに、チキンを買ったのは初めてですよ」と文句を言いつつも、祝ってくれている
『とか言って、七海が一番、飾り付けにこだわってたよね!数センチ右でないとシンメトリーになりません、とか何とか』
ふふふっと、七海を肘でつつく 紅海
「ちょ、それは、 流鏑馬さんが雑すぎる飾り付けをするからでしょ」
「 紅海は呪力の操作は繊細なのに、他は案外大雑把だからね」
『わ!傑まで、そんな事、言う~!』
夏油は 紅海をからかいながら、五条にジュースを注いでやる
ああ…凄く賑やかで、楽しかった